アッヴィ、2024年第2四半期の業績発表

$ABBV 決算

概要

アッヴィは2024年第2四半期の財務結果を発表し、希薄化EPSが前年同期比で32.5%減少したことを明らかにしました。調整後のEPSも8.9%減少し、企業の収益性に影響を与えています。しかし、免疫学や神経科学部門の成長が全体の収益を押し上げ、特に新製品のスカイリジとリンヴォックが市場での存在感を強めています。これらの結果は、アッヴィの戦略的な製品ポートフォリオの転換を示しています。

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目次

指標・数値

名称 数値 分析
希薄化EPS 0.77ドル 前年同期の1.14ドルから32.5%減少。調整後は2.65ドルで、前年同期比8.9%減少。
純収益 144.62億ドル 報告ベースで4.3%増加、運用ベースで5.6%増加。免疫学、腫瘍学、神経科学、美容部門が成長を牽引。
免疫学収益 69.71億ドル 報告ベースで2.3%増加、運用ベースで3.5%増加。ヒュミラの売上減少を新製品が補完。
神経科学収益 21.62億ドル 報告ベースで14.7%増加。ボトックス治療薬とブレイラーが成長を牽引。
調整後EPS 10.71〜10.91ドル 年間ガイダンスを上方修正。IPR&Dとマイルストーン費用の影響を考慮。

希薄化EPSの減少

AbbVie Inc.の2024年第2四半期の希薄化EPS(1株当たり利益)は0.77ドルで、前年同期の1.14ドルから32.5%の大幅な減少を示しました。この減少の主な要因は、取得した研究開発中のプロジェクト(IPR&D)やマイルストーン費用に関連する0.52ドルの不利な影響です。これらの費用は、同社の純収益の約6.5%を占めており、財務結果に大きな影響を与えました。調整後の希薄化EPSは2.65ドルで、前年同期の2.91ドルから8.9%の減少を示しています。これらの結果は、AbbVieが直面する財務的な課題を浮き彫りにしています。

免疫学部門の成長

AbbVieの免疫学部門は、2024年第2四半期において69億7,100万ドルのグローバル純収益を上げ、報告ベースで2.3%、運用ベースで3.5%の増加を記録しました。しかし、同部門の主力製品であるHumiraの売上は、米国で31.6%、国際的に18.9%減少し、合計で28億1,400万ドルにとどまりました。この減少は、AbbVieの収益に大きな影響を与えています。一方で、新製品であるSkyriziとRinvoqは、それぞれ44.8%と55.8%の売上増加を達成し、AbbVieの戦略的な製品転換を示しています。

神経科学部門の躍進

AbbVieの神経科学部門は、2024年第2四半期において21億6,200万ドルのグローバル純収益を記録し、報告ベースで14.7%の増加を示しました。この成長は、Botox Therapeuticの8億1,400万ドルの売上とVraylarの7億7,400万ドルの売上によって牽引されました。さらに、UbrelvyとQuliptaの合計売上は3億8,100万ドルに達し、特にQuliptaは56.3%の増加を見せました。これらの成果は、AbbVieが神経科学分野での革新に注力していることを示しており、特に片頭痛や統合失調症の治療における可能性を示しています。

買収の財務影響

AbbVieの最近の買収は、財務に大きな影響を与えました。ImmunoGenの買収により9億3,700万ドルの費用が発生し、EPSに0.52ドルのマイナス影響を及ぼしました。一方、Allerganの買収では1億6,900万ドルの一時的な利益と、4億3,000万ドルのIPR&D費用が発生し、EPSに0.23ドルの影響を与えました。これらの買収に伴う調整により、2024年第2四半期のGAAPベースの営業利益率は27.6%、調整後の営業利益率は42.6%となりました。これらの数字は、買収が全体的な収益性に与える複雑な影響を示しています。

新製品の市場投入

AbbVieは、2024年第2四半期において新製品の市場投入を積極的に進めています。特に、Skyriziは中等度から重度の活動性潰瘍性大腸炎の成人向けにFDAの承認を受け、欧州医薬品庁のCHMPからも肯定的な意見を得ました。また、Rinvoqは巨細胞動脈炎の治療のための申請を行い、Landos Biopharmaの買収を完了しました。これにより、同社のパイプラインに新たな革新的な資産が加わりました。これらの動きは、AbbVieが未解決の医療ニーズに応えるために、治療の選択肢を拡大し続けていることを示しています。

アッヴィの未来への展望

アッヴィの2024年第2四半期の業績は、同社が直面する課題と成長の機会を如実に示しています。ヒュミラの売上減少は依然として大きな課題ですが、新製品であるスカイリジとリンヴォックの市場での成功が、同社の収益を支える重要な要素となっています。特に、免疫学と神経科学部門の成長は、アッヴィの戦略的な製品ポートフォリオの転換を示しており、今後の成長を期待させるものです。また、買収による財務的な影響も大きく、特にIPR&Dとマイルストーン費用がEPSに与える影響は無視できません。しかし、CEOのロバート・A・マイケル氏が示すように、アッヴィは長期的な成長を見据えた投資を続けており、これが将来的な成功の鍵となるでしょう。さらに、FDAの承認や新たなパートナーシップの締結など、アッヴィのイノベーションへの取り組みは、同社が競争の激しいバイオ医薬品市場での地位を強化するための重要なステップです。これらの要素を総合すると、アッヴィは今後も市場での競争力を維持し、株主と患者に価値を提供し続けることが期待されます。
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企業情報

ティッカー ABBV
会社名 アッビー
セクター ヘルスケア
業種 Drug Manufacturers - General
ウェブサイト https://www.abbvie.com
時価総額 $311,164 million
PER 52.3
配当利回り 3.5%