ディズニー2024年第2四半期決算分析

$DIS 決算

概要

ウォルト・ディズニー・カンパニーの2024年度第2四半期決算は、成長と課題が交錯する複雑な財務状況を示しています。総収益は前年同期比で1%増の221億ドルに達し、特にテーマパークやリゾートを含む体験部門が10%の収益増を記録しました。しかし、エンターテイメント部門では5%の収益減少が見られ、競争激化と消費者の嗜好変化が影響しています。DTC部門も13%の収益増を達成しましたが、依然として運営損失を抱えています。

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目次

指標・数値

名称 数値 分析
総収益 221億ドル 前年同期比で1%の増加を示し、特に体験部門が成長を牽引しました。
EPS損失 0.01ドル 前年同期の0.69ドルの利益から大幅に減少し、主にスター・インディア事業の減損が影響しました。
調整後EPS 1.21ドル 前年の0.93ドルから30%増加し、コアビジネスの改善を示しています。
自由現金流 24.07億ドル 前年同期の19.87億ドルから増加し、将来の投資や株主還元の基盤を強化しています。
純損失 2000万ドル 前年同期の12.7億ドルの利益からの大幅な減少を示し、財務圧力が続いています。

収益の成長と課題

ウォルト・ディズニー・カンパニーの2024年度第2四半期の決算発表では、収益が前年同期の218億ドルから221億ドルに増加し、1%の成長を示しました。この成長は主にテーマパークやリゾートを含む体験部門によるもので、特に香港ディズニーランドの「ワールド・オブ・フローズン」エリアの成功が寄与しました。しかし、全体の収益成長にもかかわらず、希薄化後の1株当たり利益(EPS)は前年の0.69ドルの利益から0.01ドルの損失に転じ、スター・インディア事業やエンターテイメントの線形ネットワークに関連するのれんの減損が大きく影響しました。これにより、ディズニーは財務面での課題に直面しています。

エンターテイメント部門の苦境

ディズニーのエンターテイメント部門は、収益が5%減少しました。この減少は、他のメディア企業からの競争圧力や消費者の嗜好の変化が原因です。特に、従来のテレビチャンネルを含む線形ネットワークの収益は、広告収入の減少と加入者数の減少により、前年の29.99億ドルから27.65億ドルへと8%減少しました。ストリーミングサービスの台頭により、視聴習慣が大きく変化し、従来の視聴者数と広告収入が減少しています。

体験部門の成功

ディズニーの体験部門は、収益が10%増加し、部門の営業利益も12%増加しました。この成長は、ディズニーのテーマパークでの新しいアトラクションや成功したマーケティングキャンペーンによる来場者数と消費の増加によるものです。特に、国内のパークと体験は59.58億ドルの収益を生み、前年同期比で7%増加しました。また、国際的なパークは29%の収益増加を達成し、15.22億ドルに達しました。これらの成功は、ディズニーの革新力と訪問者を引き付ける能力を示しています。

DTC部門の成長と課題

ディズニーのDTC(Direct-to-Consumer)部門は、ディズニープラスやHuluを含み、13%の収益増加を報告しました。ディズニープラスのコア加入者は600万人以上増加し、1ユーザーあたりの平均収益(ARPU)は44セント増加して6.30ドルに達しました。しかし、DTC部門は依然として大きな営業損失を抱えており、2024年度第4四半期までに収益性を達成することを目指しています。ストリーミングサービスへの消費者のシフトが進む中、DTC部門はディズニーにとって重要な成長ドライバーとなっています。

財務指標の重要性

ディズニーは、2024年度第2四半期において2000万ドルの純損失を報告しましたが、調整後のEPSは前年の0.93ドルから1.21ドルに30%増加しました。これは、コアビジネスの活動が良好な結果をもたらしていることを示しています。さらに、営業活動によるキャッシュフローは13%増加し、36.7億ドルに達しました。これにより、ディズニーは将来の投資や株主への還元のための堅実な基盤を築いています。フリーキャッシュフローも前年の19.87億ドルから24.07億ドルに増加し、債務返済や戦略的買収、株主への資本還元に重要な役割を果たしています。

ディズニーの未来への展望

ウォルト・ディズニー・カンパニーの2024年度第2四半期決算は、成長と課題が交錯する状況を反映しています。体験部門の成功は、ディズニーの革新力と顧客体験の向上へのコミットメントを示していますが、エンターテイメント部門の収益減少は、競争の激化と消費者の嗜好変化に直面していることを示唆しています。DTC部門の成長は、ストリーミングサービスへの消費者のシフトを反映しており、今後の成長ドライバーとしての期待が高まっています。しかし、運営損失の継続は、収益性の改善が必要であることを示しています。財務的には、調整後EPSの増加と自由現金流の強化が、ディズニーのコアビジネスの健全性を示していますが、純損失の発生は、財務圧力が依然として存在することを示しています。ディズニーは、今後も革新とコスト管理、株主還元に注力し、変化するエンターテイメント市場において競争力を維持することが求められます。特に、知的財産の活用と消費者の嗜好に応じた戦略的な対応が、長期的な成功の鍵となるでしょう。
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企業情報

ティッカー DIS
会社名 ウォルト・ディズニー
セクター 通信サービス
業種 Entertainment
ウェブサイト https://www.thewaltdisneycompany.com
時価総額 $174,538 million
PER 104.1
配当利回り 0.9%