キムコ・リアルティ、2024年第1四半期の業績発表
$KIM 決算概要
キムコ・リアルティ（NYSE: KIM）は、2024年第1四半期の業績を発表しました。今回の報告では、1株当たりの純利益が前年同期の0.46ドルから0.03ドルの損失に転じたことが明らかになりました。この減少は、2023年第1四半期に受け取ったアルバートソンズ・カンパニーズからの特別配当が2024年にはなかったこと、税金の増加、物件売却益の減少が主な要因です。しかし、運営指標では安定した成果を示し、特にリース活動が活発化していることが注目されます。
指標・数値
| 名称 | 数値 | 分析 |
|---|---|---|
| 純利益 | 0.03ドル/株 | 前年同期の0.46ドル/株からの大幅な減少。特別配当の不在が主因。 |
| FFO | 0.39ドル/株 | 前年同期と同水準を維持。運営からのキャッシュ生成能力を示す。 |
| NOI | 3.9%増加 | 最低賃料の2.8%上昇が寄与。 |
| 占有率 | 96.0% | 高い需要を示す。特に食料品店を核とした物件での強さが顕著。 |
| リース契約数 | 583件 | 4百万平方フィートのリース契約を締結。新規リースの賃料増加が顕著。 |
純利益の減少要因
Kimco Realtyは2024年第1四半期において、希薄化後1株当たり純利益が前年同期の0.46ドルから0.03ドルの損失に転じました。この純利益の減少は、2023年第1四半期にAlbertsons Companies, Inc.から受け取った1億9410万ドルの特別配当が2024年には発生しなかったことが主な要因です。また、税金の引当金が4120万ドル増加し、物件売却による利益が前年同期比で4040万ドル減少したことも、財務業績に影響を与えました。これらの要因が重なり、Kimcoの純利益は大幅に減少しました。
運営指標の安定性
Kimco Realtyは、2024年第1四半期において運営指標の安定性を示しました。特に、希薄化後1株当たりのFunds From Operations（FFO）は前年同期と同じ0.39ドルを維持しました。FFOはREITにとって重要な指標であり、運営から生じる現金を示すため、Kimcoの不動産資産からの収益力を反映しています。また、同一物件純営業収益（NOI）は3.9%増加し、最低賃料が2.8%上昇したことが寄与しました。これにより、Kimcoのプロラタポートフォリオの占有率は96.0%と高水準を維持し、特に食料品店を核とした物件の需要が強いことが示されています。
リース活動の活発化
Kimco Realtyは2024年第1四半期において、リース活動の活発化を示しました。583件のリース契約を締結し、合計400万平方フィートの賃貸面積を確保しました。特に、比較可能なスペースでのプロラタ賃料スプレッドは10.2%の増加を記録し、新規リースでは35.5%のプロラタ現金賃料スプレッドを達成しました。これは、消費者が便利で必需品を提供する食料品店を核としたショッピングセンターに引き寄せられていることを反映しています。特に、Bed Bath & Beyondの旧リース2件では、賃料が36%増加しました。これらの結果は、Kimcoのポートフォリオ内での小売スペースの需要が強いことを示しています。
RPT買収の影響
2024年第1四半期におけるKimco Realtyの主要なハイライトは、RPT Realtyの23億ドルに及ぶ戦略的買収の完了です。この買収により、Kimcoはポートフォリオと市場での地位を大幅に強化し、主要市場での存在感を拡大しました。買収後、Kimcoは2024年の売却目標を達成し、RPTの旧物件10件を合計2億4800万ドルで売却しました。これにより、Kimcoは投資基準により適合する物件に集中し、ポートフォリオ全体の質を向上させることができました。
資本管理の強化
Kimco Realtyは2024年第1四半期において、資本管理の強化に向けた積極的な措置を講じました。無担保債務を合計6億4690万ドル返済し、無担保債務を完全に解消しました。これにより、2024年の残り期間において満期を迎える担保付債務は1180万ドルのみとなりました。四半期末時点で、Kimcoは即時流動性を20億ドル報告し、その内訳は無担保リボルビングクレジットファシリティで19億ドル、現金および現金同等物で1億3500万ドル以上を含んでいます。この強力な流動性ポジションは、Kimcoが将来の機会や課題に柔軟に対応できる基盤を提供しています。
キムコの未来展望と成長戦略
キムコ・リアルティは、2024年第1四半期において、純利益の減少という課題に直面しましたが、運営指標の安定性とリース活動の活発化により、今後の成長に向けた基盤を築いています。特に、RPTリアルティの買収は、ポートフォリオの質を向上させ、市場での地位を強化する重要な戦略的動きです。この買収により、キムコは主要市場での存在感を拡大し、長期的な成長を目指しています。また、資本管理の面でも、無担保債務の返済を進め、流動性を確保することで、将来の機会や課題に柔軟に対応できる体制を整えています。さらに、株主への価値還元を重視し、安定した配当政策を維持することで、投資家の信頼を確保しています。今後も、食料品店を核としたショッピングセンターの需要を背景に、キムコはリース活動を強化し、運営効率を高めることで、持続的な成長を追求していくでしょう。リスクと不確実性を考慮しつつ、キムコは引き続き市場の変化に対応し、株主価値の最大化を目指す姿勢を示しています。
企業情報
| ティッカー | KIM |
| 会社名 | キムコ・リアルティ |
| セクター | 不動産 |
| 業種 | REIT - Retail |
| ウェブサイト | https://www.kimcorealty.com |
| 時価総額 | $14,649 million |
| PER | 41.0 |
| 配当利回り | 4.4% |