キムコ・リアルティ、2024年の業績を発表
$KIM 決算概要
キムコ・リアルティ(NYSE: KIM)は、2024年の第4四半期および通年の業績を発表しました。同社は、米国全土で高品質なオープンエアの食料品店を核としたショッピングセンターと複合用途の不動産に焦点を当てたリート(不動産投資信託)です。2024年の業績は、戦略的な取り組みと運営管理の成功を反映しており、ファンド・フロム・オペレーション(FFO)が7.7%増加し、希薄化後1株当たり0.42ドルに達しました。また、前年同期比で同一物件純営業収益(NOI)が4.5%増加しました。
指標・数値
名称 | 数値 | 分析 |
---|---|---|
FFO | 0.42ドル/株 | 前年同期比で7.7%増加し、戦略的取り組みの成功を示す。 |
NOI | 4.5%増加 | 前年同期比での増加は、物件の需要の高さを反映。 |
純利益 | 1億5480万ドル | 前年同期比で4.5%増加し、RPTリアルティの買収が寄与。 |
占有率 | 96.3% | 前年同期比で10ベーシスポイント増加し、物件の需要の強さを示す。 |
キャッシュレンジスプレッド | 35.4% | 新規リースでの高い需要を示す。 |
第4四半期の業績概要
Kimco Realtyは2024年第4四半期において、普通株主に帰属する純利益が1億5480万ドル、希薄化後1株当たり0.23ドルを達成しました。これは前年同期の1億3340万ドル、1株当たり0.22ドルから4.5%の増加を示しています。この成長は、RPT Realtyの買収による統合が成功し、賃貸物件からの収益が増加したことに支えられています。第4四半期の純収益は7320万ドルであり、不動産税や運営・維持費、減価償却費の増加によって一部相殺されました。主要な運営指標として、プロラタポートフォリオの稼働率は96.3%で、前年同期比で10ベーシスポイントの増加を示し、プロラタアンカー稼働率は98.2%で、20ベーシスポイントの増加を記録しました。また、比較可能な新規リースで35.4%のプロラタ現金賃料スプレッドを達成し、小売スペースの強い需要を示しています。重要な取引として、フロリダ州オーランドにある976,000平方フィートのWaterford Lakes Town Centerを3億2200万ドルで買収しました。この買収には1億6460万ドルの住宅ローンの引き受けが含まれており、Kimcoの高品質な資産を主要な立地に強化する戦略の一環です。
年間業績の詳細
2024年通年で、Kimco Realtyは純利益3億7570万ドル、希薄化後1株当たり0.55ドルを報告しました。前年の6億2930万ドル、1株当たり1.02ドルからの減少は、前年にAlbertsons Companies Inc.から受け取った1億9410万ドルの特別現金配当が主な要因です。それにもかかわらず、FFO(Funds From Operations)は11億ドル、希薄化後1株当たり1.65ドルに増加し、前年の9億7000万ドル、1株当たり1.57ドルから5.1%の増加を示しました。
運営上の成果
2024年を通じて、Kimco Realtyは合計429件のリース契約を締結し、合計240万平方フィートをカバーしました。プロラタ現金賃料スプレッドは11.4%のブレンドを達成し、新規リースでは35.4%の顕著な増加を見せ、更新およびオプションでは6.6%の成長を記録しました。年末時点でのプロラタ賃貸稼働率は96.3%、プロラタアンカー稼働率は98.2%、小型店舗稼働率は91.7%でした。同一物件のNOI(Net Operating Income)の成長は、最低賃料の3.8%の増加によって推進され、年間で3.5%の成長を達成しました。さらに、Kimcoは2つの食料品店を核とするショッピングセンターに対して1230万ドルのメザニンファイナンスを提供し、テナントの支援とポートフォリオの強化に努めました。
資本市場活動
第4四半期中、Kimco Realtyは資本市場活動を活発に行い、ATM株式発行プログラムを通じて540万株の普通株を売却し、1億3630万ドルの純収益を上げました。また、7.25%のクラスN累積転換永久優先株式の預託株式409,772株を現金で買い戻し、合計2670万ドルを支出し、買い戻しに伴い330万ドルの費用を計上しました。さらに、様々なパートナーシップユニットを合計3700万ドルで償還しました。2024年末時点で、Kimcoは約27億ドルの即時流動性を有し、20億ドルの無担保リボルビングクレジットファシリティの全額利用可能額と、バランスシート上の現金および現金同等物6億8970万ドルを含んでいます。
2025年の見通し
2025年に向けて、Kimco Realtyは希薄化後1株当たり0.70ドルから0.72ドルの純利益と、FFO(Funds From Operations)1株当たり1.70ドルから1.72ドルを予測しています。この見通しは、同一物件のNOI(Net Operating Income)成長率が2.0%以上であること、プロラタ賃料収入全体に対する信用損失が75から100ベーシスポイントの範囲であること、ショッピングセンターのキャップレートが6.0%から7.0%であること、構造化投資の利回りが9.0%から10.0%であることなど、いくつかの仮定に基づいています。また、リース終了収入は600万ドルから900万ドル、バランスシート上の現金からの利息収入は600万ドルから900万ドル、テナント改善、貸主工事、リース手数料のための資本支出は2億5000万ドルから3億ドルと予想されています。
キムコ・リアルティの成長と未来への展望
キムコ・リアルティは、2024年を通じて堅調な成長を遂げ、戦略的な買収や強力なリース活動を通じてその地位をさらに強化しました。同社は、オープンエアの食料品店を核としたショッピングセンターと複合用途の不動産に焦点を当て、主要市場での存在感を高めています。特に、RPTリアルティの買収やウォーターフォード・レイクス・タウンセンターの取得など、質の高い資産をポートフォリオに加えることで、収益基盤を強化しました。2024年のファンド・フロム・オペレーション(FFO)は前年同期比で7.7%増加し、同一物件純営業収益(NOI)も4.5%増加しました。これらの成果は、同社の戦略的な取り組みと運営管理の成功を示しています。さらに、2025年に向けては、2億5000万ドルから3億ドルの資本支出を計画しており、ポートフォリオの強化と運営能力の向上を図ります。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、キムコのBaa1のシニア無担保債務格付けをポジティブな見通しで維持しており、同社の強固な財務基盤と運営の回復力を反映しています。しかし、経済状況、テナントのデフォルト、規制の変化など、将来の業績に影響を与える可能性のあるリスクも存在します。これらのリスクに対処するため、同社は慎重な管理と戦略的な計画を重視しています。総じて、キムコ・リアルティは、2024年の強力な業績を背景に、リテール不動産セクターでの成長を続けるための良好な位置にあります。
企業情報
ティッカー | KIM |
会社名 | キムコ・リアルティ |
セクター | 不動産 |
業種 | REIT - Retail |
ウェブサイト | https://www.kimcorealty.com |
時価総額 | $14,649 million |
PER | 41.0 |
配当利回り | 4.4% |