モデナ社の2024年第4四半期業績分析

$MRNA 決算

概要

モデナ社は2024年第4四半期において、売上高が前年同期比で大幅に減少し、純損失を計上しました。COVID-19ワクチンの需要減少が主な要因ですが、同社は新たな戦略的イニシアチブを通じて市場の変化に対応しています。コスト管理の強化や新製品の開発を進めることで、将来的な成長を目指しています。

目次

指標・数値

名称 数値 分析
売上高 10億ドル 前年同期の28億ドルから大幅に減少。COVID-19ワクチンの需要減少が主因。
純損失 11億ドル 製造業務の縮小に伴う非現金費用2億ドルを含む。
年間売上高 32億ドル 前年の68億ドルから減少。COVID-19ワクチンの売上減少が影響。
現金残高 95億ドル 2024年12月31日時点での現金、現金同等物、および投資の合計。
研究開発費 45億ドル 2024年通年で6%減少。コスト管理の成果。

売上高の大幅減少

2024年第4四半期におけるModernaの売上高は10億ドルで、前年同期の28億ドルから大幅に減少しました。この減少は、COVID-19ワクチンの需要低下が主な要因です。パンデミック開始以来、ワクチンはModernaの主要な収益源でしたが、需要の減少により売上が減少しました。2024年度全体の売上高は32億ドルで、2023年の68億ドルから大幅に減少しました。特に、COVID-19ワクチン「Spikevax」の売上は31億ドルで、前年から大幅に減少しました。第4四半期だけで見ると、Spikevaxの売上は9億2300万ドルで、米国での売上が2億4400万ドル、国際市場での売上が6億7900万ドルでした。

戦略的イニシアチブ

Modernaは2025年に向けて、売上高を15億ドルから25億ドルに設定し、約60億ドルの現金残高を維持することを目指しています。成長戦略の一環として、次世代COVID-19ワクチン、RSVワクチン、インフルエンザとCOVIDの組み合わせワクチンの3つのmRNA製品の規制承認を目指しています。CEOのステファン・バンセル氏は、2027年までに最大10製品の承認を目指し、2025年末までにコストを約10億ドル削減することを目標としています。

コスト管理の成果

Modernaはコスト管理の成果を上げており、2024年第4四半期の研究開発費は前年同期比で20%減少し、11億ドルとなりました。これは、様々なワクチンプログラムに関連する臨床開発と製造コストの削減によるものです。しかし、ノロウイルスや個別化ネオアンチゲン療法プログラムへの投資は増加しています。2024年度全体の研究開発費は45億ドルで、前年から6%減少しました。製造業務のリサイズにより、売上原価も改善し、2024年度の売上原価は15億ドルで、製品売上の47%を占め、2023年の70%から大幅に改善しました。

財務健全性の向上

2024年12月31日時点で、Modernaの現金、現金同等物、および投資総額は95億ドルに達し、2024年9月30日時点の92億ドルから増加しました。この増加は、売掛金の回収タイミングが改善されたことによるもので、キャッシュフロー管理の向上を示しています。これにより、財務健全性が向上し、将来の投資や事業拡大に向けた資金の確保が可能となっています。

臨床試験の進展

Modernaは次世代COVID-19ワクチンやRSVワクチンの臨床試験で大きな進展を遂げています。次世代COVID-19ワクチン(mRNA-1283)の第3相試験では、ワクチンの有効性と免疫原性に関するポジティブなデータが得られ、FDAへの承認申請が行われました。FDAは2025年5月31日を目標日としています。また、RSVワクチン(mRNA-1345)は2024年に60歳以上の成人向けに承認され、18歳から59歳の高リスク成人向けにも申請が行われ、2025年6月12日を目標日としています。

モデナ社の未来への展望

2024年はモデナ社にとって厳しい年となりましたが、同社は戦略的な取り組みを通じて未来への基盤を築いています。売上高の減少と純損失の計上は、COVID-19ワクチンの需要減少によるものでしたが、モデナ社は新たな製品開発とコスト管理を強化することで、将来的な成長を目指しています。特に、次世代のCOVID-19ワクチンやRSVワクチン、インフルエンザとCOVIDの組み合わせワクチンの開発は、同社の成長戦略の中心に位置しています。これらの製品が市場に投入されることで、モデナ社は新たな収益源を確保し、財務の健全性を向上させることが期待されます。また、研究開発費の削減や製造業務の効率化により、コスト構造の改善も進んでいます。これにより、モデナ社はより持続可能なビジネスモデルを構築し、将来的な競争力を高めることができるでしょう。さらに、現金残高の増加は、同社の財務基盤の強化を示しており、今後の投資や事業拡大に向けた資金的な余裕を確保しています。総じて、モデナ社は2024年の困難を乗り越え、未来に向けた準備を着実に進めていると言えるでしょう。
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企業情報

ティッカー MRNA
会社名 モデルナ
セクター ヘルスケア
業種 Biotechnology
ウェブサイト https://www.modernatx.com
時価総額 $45,690 million
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配当利回り 0.0%