シティグループ2024年第3四半期業績発表
$C 決算概要
シティグループは2024年第3四半期の業績を発表し、総収益は203億ドル、純利益は32億ドルと報告しました。前年同期比で収益は1%増加しましたが、純利益は減少しました。CEOのジェーン・フレイザー氏は、戦略的変革の進展と効率性の向上を強調しましたが、クレジット損失の増加が利益に影響を与えたことも認めています。
指標・数値
名称 | 数値 | 分析 |
---|---|---|
総収益 | 203億ドル | 前年同期比で1%増加。台湾消費者銀行の売却益を除くと3%増加。 |
純利益 | 32億ドル | 前年同期の35億ドルから減少。クレジット損失の増加が影響。 |
営業経費 | 132.5億ドル | 前年同期比で2%減少。組織の簡素化とコスト管理の成果。 |
クレジット損失 | 21.7億ドル | 前年同期の16.4億ドルから33%増加。クレジットカードの損失が主因。 |
株主還元 | 21億ドル | 配当と自社株買いを通じて実施。配当性向は71%。 |
収益の微増と要因
2024年第3四半期におけるシティグループの収益は、前年同期比で1%増加し、203億ドルに達しました。この微増は、複数の事業セグメントでの改善によるものですが、「その他」カテゴリーの減少が一部相殺しました。特に、前年に台湾の消費者銀行業務の売却による約4億ドルの利益を除外すると、実際の収益は3%増加しています。これにより、シティグループは事業の多様化と戦略的な成長を示しています。
経費削減の成果
シティグループは、2024年第3四半期において、運営費を前年の135.1億ドルから132.5億ドルに2%削減しました。この削減は、組織の簡素化とコスト管理の強化によるもので、効率性と収益性の向上を示しています。しかし、これらの節約は、取引量に関連する経費や変革とリスク管理への継続的な投資によって部分的に相殺されました。
サービス部門の成長
サービス部門は、2024年第3四半期において記録的な業績を達成しました。ローン、預金、資産の成長と新規顧客の獲得が主な要因で、サービス収益は50億ドルに達し、前年同期比で8%増加しました。特に、証券サービスと財務管理ソリューションが好調で、これが収益の増加に寄与しました。
クレジット損失の影響
シティグループは、2024年第3四半期において、クレジット損失が前年の16.4億ドルから21.7億ドルに33%増加したと報告しました。この増加は、クレジットカードにおける損失の増加と、ポートフォリオの成長と構成に対するクレジット損失引当金の増加によるものです。これにより、純利益の減少に大きく影響しました。
株主への還元
シティグループは、2024年第3四半期において、株主に約21億ドルを還元しました。これは、普通配当と自社株買いを通じて行われ、投資家への価値提供に対する銀行のコミットメントを示しています。株式の簿価は1株あたり101.91ドルに増加し、無形資産を除いた簿価も89.67ドルに上昇しました。これらの増加は、純利益や自社株買い、その他包括利益の有利な動きによるものです。
成長と課題を抱えるシティグループ
シティグループの2024年第3四半期の業績は、収益の微増と効率的なコスト管理が見られる一方で、クレジット損失の増加が利益を圧迫する結果となりました。CEOのジェーン・フレイザー氏は、戦略的変革の進展を強調し、全事業ラインでのポジティブな営業レバレッジを実現していると述べました。特に、サービス部門はローンや預金、資産の成長により記録的な四半期を迎え、マーケット部門も好調な取引活動により収益を伸ばしました。しかし、クレジット損失の増加は、特にクレジットカード部門での損失が大きく、純利益の減少に寄与しました。株主への還元は21億ドルに達し、配当と自社株買いを通じて行われました。シティグループは、2025年に向けて成長を続けるために、クレジットリスクの管理と運営効率の最適化に注力する必要があります。地政学的緊張やマクロ経済要因による不確実性が続く中、同社は収益と経費の目標を達成し、将来の成長に向けた良好な位置を確保していると自信を示しています。
企業情報
ティッカー | C |
会社名 | シティグループ |
セクター | 金融サービス |
業種 | Banks - Diversified |
ウェブサイト | https://www.citigroup.com |
時価総額 | $126,846 million |
PER | 18.2 |
配当利回り | 3.3% |