ギリアド・サイエンシズ、2025年第1四半期の業績発表
$GILD 決算概要
ギリアド・サイエンシズは2025年第1四半期の業績を発表し、総売上高は66.7億ドルとなりました。前年同期の66.9億ドルからわずかに減少しましたが、これは主にCOVID-19治療薬ベクルリーの売上が45%減少したことによるものです。一方で、HIV治療薬ビクタービーの売上は7%増加し、31億ドルを記録しました。これにより、ベクルリーを除く製品売上は4%増加し、63億ドルに達しました。
指標・数値
名称 | 数値 | 分析 |
---|---|---|
総売上高 | 66.7億ドル | 前年同期の66.9億ドルからわずかに減少。COVID-19治療薬の需要減少が主因。 |
ベクルリー売上 | 3.02億ドル | COVID-19の入院減少により、売上が45%減少。 |
ビクタービー売上 | 31億ドル | HIV治療薬としての需要増加により、売上が7%増加。 |
希薄化EPS | 1.04ドル | 前年の3.34ドルの損失から大幅に改善。 |
営業キャッシュフロー | 18億ドル | 財務健全性の向上を示す。株主への還元も実施。 |
売上高の変動要因
Gilead Sciences, Inc.の2025年第1四半期の総売上高は66.7億ドルで、前年同期の66.9億ドルからわずかに減少しました。この減少の主な要因は、COVID-19の抗ウイルス治療薬であるVeklury(レムデシビル)の売上が45%も減少し、3億200万ドルにとどまったことです。COVID-19の入院が大幅に減少し、ワクチン接種率の上昇と症例の重症度の低下により、Vekluryの需要が減少したことが背景にあります。これに対し、Vekluryを除く製品売上は4%増加し、63億ドルに達しました。
HIV治療薬の成長
GileadのHIV治療薬の売上は6%増加し、46億ドルに達しました。この成長は、Biktarvyの売上が7%増加し、31億ドルを記録したことが大きく寄与しています。Biktarvyはその高い効果と一日一回の服用という利便性から、医療提供者の間で広く受け入れられています。また、Descovyも38%の売上増加を見せ、5億8600万ドルに達しました。HIVの有病率の増加と効果的な治療オプションの需要が、この成長を後押ししています。
がん治療薬の進展
Gileadは、乳がん治療薬Trodelvyのフェーズ3試験での成功を発表しました。この試験では、未治療のPD-L1+切除不能局所進行または転移性三重陰性乳がん患者において、進行無増悪生存期間の有意な改善が示されました。Trodelvyは、ペムブロリズマブ(Keytruda)との併用で使用され、Gileadのがん治療ポートフォリオの強化に寄与しています。この結果は、治療選択肢が限られている三重陰性乳がんの治療において、Trodelvyが有望な選択肢となることを示しています。
財務健全性の向上
Gileadは2025年第1四半期において、希薄化後1株当たり利益(EPS)が1.04ドルと、前年の3.34ドルの損失から大幅に改善しました。この改善は、前年の大きな特別損失がなくなったことによるものです。非GAAPベースの希薄化後EPSも1.81ドルに上昇し、前年の1.32ドルの損失から回復しました。また、Gileadは1.8億ドルの営業キャッシュフローを報告し、株主に10億ドルを配当として還元し、7億3000万ドルの自社株買いを行いました。
将来の展望とリスク
Gileadは、2025年の年間製品売上高を282億ドルから286億ドルと予測し、調整後希薄化後EPSを5.65ドルから6.05ドルと見込んでいます。この見通しは、同社のコアビジネスと製品開発の継続的な努力に対する自信を反映しています。しかし、インフレ削減法や米国の規制政策の変化など、さまざまなリスクと不確実性が存在します。Gileadは、変化する医療環境に適応するための戦略を準備しており、今後の成長機会を追求する姿勢を示しています。
ギリアドの未来への展望と課題
ギリアド・サイエンシズは2025年第1四半期において、総売上高がわずかに減少したものの、HIV治療薬ビクタービーの売上増加やがん治療薬トロデルヴィの臨床試験成功により、全体としてはポジティブな業績を示しました。特に、ビクタービーの売上は7%増加し、HIVセグメント全体の成長を牽引しました。また、トロデルヴィのフェーズ3試験の成功は、がん治療分野におけるギリアドの競争力を高める重要な成果です。財務面では、希薄化EPSが前年の損失から大幅に改善し、営業キャッシュフローも18億ドルに達するなど、財務健全性の向上が見られます。さらに、株主への還元として10億ドルの配当と7.3億ドルの自社株買いを実施し、強固なバランスシートを維持しています。今後の展望としては、HIV予防薬レナカパビルのPDUFA日程が控えており、これが市場に投入されれば、HIV予防分野でのさらなる成長が期待されます。しかし、インフレ抑制法や米国の規制政策の変化など、外部環境のリスクも存在します。ギリアドはこれらの課題に対処しつつ、革新的な医薬品の開発を続けることで、今後も医療分野でのリーダーシップを維持することを目指しています。
企業情報
ティッカー | GILD |
会社名 | ギリアド・サイエンシズ |
セクター | ヘルスケア |
業種 | Drug Manufacturers - General |
ウェブサイト | https://www.gilead.com |
時価総額 | $91,670 million |
PER | 204.4 |
配当利回り | 4.3% |