S&Pグローバル、2025年第1四半期の業績発表
$SPGI 決算概要
S&Pグローバルは2025年第1四半期において、収益と純利益の両方で顕著な成長を遂げました。特に、レーティングとインデックス部門が大きく貢献し、全体の収益を押し上げました。また、モビリティ部門のスピンオフやOSTTRAジョイントベンチャーの売却など、戦略的な動きも発表され、今後の成長に向けた基盤を強化しています。これらの動きは、株主価値の最大化を目指す同社の姿勢を示しています。
指標・数値
名称 | 数値 | 分析 |
---|---|---|
収益 | 37.77億ドル | 前年同期の34.91億ドルから8%増加。レーティングとインデックス部門が特に貢献。 |
純利益 | 10.90億ドル | 前年同期の9.91億ドルから10%増加。経済不安定時のデータ需要が増加。 |
EPS | 3.54ドル | 前年同期の3.16ドルから12%増加。調整後EPSも9%増加し、4.37ドルに。 |
営業利益率 | 41.8% | 前年同期比210ベーシスポイント増加。レーティング部門の高い利益率が寄与。 |
株主還元率 | 85% | 調整後フリーキャッシュフローの85%を配当と自社株買いで還元。 |
収益と純利益の成長
S&P Globalは2025年第1四半期において、収益が前年同期の34.91億ドルから8%増加し、37.77億ドルに達しました。この成長は、特に「レーティング」と「インデックス」部門の強力なパフォーマンスによるものです。レーティング部門は、市場の不安定な時期に企業の信用力を評価する需要が高まり、収益を押し上げました。同様に、インデックス部門も市場の変動に応じた投資判断の指標としての利用が増加し、収益を拡大しました。GAAPベースの純利益は10%増の10.90億ドルに達し、希薄化後の1株当たり利益(EPS)は12%増の3.54ドルとなりました。調整後の純利益も7%増加し、13.44億ドルに達しました。これらの成長は、経済の不確実性が高まる中で、S&P Globalのデータと洞察に対する強い需要によって支えられています。
戦略的イニシアチブ
S&P Globalは、モビリティ部門を独立した公開企業としてスピンオフする計画を発表しました。この決定は、株主価値を最大化し、モビリティ部門が独自の成長戦略を追求できるようにすることを目的としています。スピンオフは株主にとって税金がかからない形で行われ、12〜18ヶ月以内に完了する予定です。また、S&P GlobalはOSTTRAジョイントベンチャーを31億ドルで売却する計画も発表しました。この売却は、ポートフォリオを最適化し、主要な事業領域に集中するための取り組みの一環です。取引は2025年後半に完了する見込みであり、S&P Globalの戦略的方向性をさらに強化するものです。
営業利益とマージン
S&P Globalは、営業利益の大幅な増加を報告し、GAAPベースの営業利益率が210ベーシスポイント上昇して41.8%に達しました。調整後の営業利益率も100ベーシスポイント上昇し、50.8%となりました。このマージンの改善は、特にレーティングとインデックス部門の強力なパフォーマンスによるもので、これらの部門はS&P Globalの収益生成において重要な役割を果たしています。例えば、レーティング部門は66%の営業利益率を達成し、その高付加価値サービスが収益性を高めています。コスト管理と運営効率の向上により、収益の大部分を利益として保持できることを示しています。
将来の見通し
S&P Globalは、2025年の通年ガイダンスを修正し、収益成長を4%から6%と予測しています。GAAPベースの希薄化後EPSは14.60ドルから15.10ドルの範囲で、調整後の希薄化後EPSは16.75ドルから17.25ドルと見込まれています。しかし、キャッシュフローの見通しは下方修正され、営業活動によるキャッシュフローから資本的支出と非支配持分への分配を差し引いた額が54億ドルから56億ドルと予測されています。これは、キャッシュ税、純利益、運転資本に関する仮定の変更によるもので、市場状況を考慮した慎重なアプローチを反映しています。
株主への還元
S&P Globalは、調整後のフリーキャッシュフローの85%を配当と株式買戻しを通じて株主に還元する計画を維持しています。取締役会は四半期ごとの現金配当を0.96ドルとすることを承認し、投資家に対する一貫したリターンを提供することを示しています。さらに、今後数週間で6億5000万ドルの追加の加速株式買戻し(ASR)を実施する予定であり、株主価値の向上に対するコミットメントを強調しています。
S&Pグローバルの未来への展望
S&Pグローバルは2025年第1四半期において、収益と純利益の両面で力強い成長を遂げ、特にレーティングとインデックス部門がその成長を牽引しました。これにより、同社は市場の不確実性に対しても強い耐性を示しました。さらに、モビリティ部門のスピンオフやOSTTRAジョイントベンチャーの売却といった戦略的イニシアチブは、事業の集中と効率化を図るための重要なステップです。これらの動きは、株主価値の最大化を目指す同社の長期的なビジョンを反映しています。将来的には、収益のさらなる成長と効率的なコスト管理を通じて、持続可能な成長を実現することが期待されます。市場の変動や規制の変化に柔軟に対応しつつ、S&Pグローバルはその競争力を維持し、長期的な成功を収めるための基盤を築いています。これにより、同社は今後も投資家にとって魅力的な選択肢であり続けるでしょう。
企業情報
ティッカー | SPGI |
会社名 | S&Pグローバル |
セクター | 金融サービス |
業種 | Financial Data & Stock Exchanges |
ウェブサイト | https://www.spglobal.com |
時価総額 | $153,268 million |
PER | 55.0 |
配当利回り | 0.7% |