フォックス社2024年第3四半期決算発表

$FOX 決算

概要

フォックス・コーポレーションは、2024年度第3四半期の決算を発表しました。この期間の総収益は34億5,000万ドルで、前年同期の40億8,000万ドルから大幅に減少しました。広告収入の減少が主な要因であり、特にスーパーボウルやNFLゲームの放送が少なかったことが影響しています。しかし、純利益は7億400万ドルと大幅に改善し、前年同期の5,000万ドルの純損失からの回復を示しています。

目次

指標・数値

名称 数値 分析
総収益 34億5,000万ドル 前年同期の40億8,000万ドルから大幅に減少。広告収入の減少が主因。
広告収入 12億4,000万ドル 前年の18億8,000万ドルから減少。スーパーボウルやNFLゲームの放送減少が影響。
純利益 7億400万ドル 前年同期の5,000万ドルの純損失から大幅改善。法的和解費用の減少が寄与。
調整後EBITDA 8億9,100万ドル 前年から7%増加。スポーツ番組権利の償却費用と制作費の減少が影響。
株主資本 105億5,400万ドル 前年の103億7,800万ドルから増加。財務状況の改善を示す。

収益の減少と要因

Fox Corporationの2024年度第3四半期の総収益は34億5000万ドルで、前年同期の40億8000万ドルから大幅に減少しました。この収益減少の主な要因は、広告収益の大幅な減少であり、前年の18億8000万ドルから12億4000万ドルに落ち込みました。特に、スーパーボウルLVIIの不在やNFLゲームの放送数の減少が広告収益に大きな影響を与えました。スーパーボウルは通常、広告収益を大きく押し上げるイベントであり、その不在が全体の広告収益に顕著な影響を及ぼしました。さらに、スポーツサブライセンス収益のタイミングの影響で、その他の収益も前年の3億5200万ドルから2億7400万ドルに減少しました。

純利益の大幅改善

Fox Corporationは、2024年度第3四半期において、純利益が7億400万ドルと大幅に改善しました。前年同期には5000万ドルの純損失を記録していたため、この改善は顕著です。この利益の回復は、FOXニュースメディアに関連する法的和解費用がなくなったことが大きな要因です。また、United Football League (USFL)との共同事業からの資産利益も、今期の財務にプラスの影響を与えました。Fox Corporationの株主に帰属する純利益は6億6600万ドル、1株当たり1.40ドルであり、前年の5400万ドルの純損失、1株当たり(0.10)ドルからの大幅な回復を示しています。

調整後指標の動向

調整後の指標において、Fox Corporationの株主に帰属する調整後純利益は5億2000万ドル(1株当たり1.09ドル)で、前年の4億9400万ドル(1株当たり0.94ドル)からわずかに増加しました。調整後EBITDA(利息、税金、減価償却前利益)は7%増の8億9100万ドルとなり、スポーツ番組権利の償却費用や制作費の減少が主な要因です。特に、スーパーボウルやNFLゲームの不在が、通常高額な制作費や放送費用を伴うため、コスト削減に寄与しました。

セグメント別業績

Fox Corporationのケーブルネットワークプログラミングとテレビの両セグメントで収益が減少しました。ケーブルネットワークプログラミングセグメントの収益は前年の15億7000万ドルから14億7000万ドルに減少しました。このセグメントでは、契約価格の上昇によるアフィリエイト料金収益が1%増加しましたが、加入者数の減少が一部相殺しました。広告収益は、デジタル広告収益の低下とワールドベースボールクラシックの放送不在により、2億9600万ドルに減少しました。一方、テレビセグメントの収益は前年の24億8000万ドルから19億4000万ドルに減少しました。このセグメントの広告収益も、視聴者数と広告売上を通常押し上げる高視聴率のスポーツイベントの減少により、9億3900万ドルに落ち込みました。

株主還元と負債管理

Fox Corporationは、株主還元の一環として積極的に自社株買いを行っています。2024年3月31日時点で、クラスA普通株式を約43億5000万ドル、クラスB普通株式を約10億ドル買い戻し、さらに16億5000万ドルまでの買い戻しを承認しています。四半期中には、クラスA普通株式を約2億5000万ドル買い戻しました。また、2024年1月には、満期を迎えた4.030%のシニアノート12億5000万ドルを返済し、負債管理にも積極的に取り組んでいます。これにより、株主価値の向上と財務戦略の強化を図っています。

フォックス社の未来への展望

フォックス・コーポレーションの2024年第3四半期決算は、収益の減少という課題を抱えつつも、純利益の大幅な改善を示しました。特に、スーパーボウルやNFLゲームの放送が少なかったことが広告収入の減少に大きく影響しましたが、法的和解費用の減少やUSFL合弁事業からの利益が純利益の改善に寄与しました。また、調整後EBITDAの増加は、スポーツ番組権利の償却費用と制作費の削減が功を奏した結果です。セグメント別では、ケーブルネットワークプログラミングとテレビの両セグメントで収益が減少しましたが、デジタルプラットフォーム「Tubi」の成長が今後の成長の鍵となる可能性があります。株主還元策としての自社株買いや負債管理の取り組みも評価されるべきポイントです。フォックス社は、ライブコンテンツとデジタルイノベーションに注力することで、変化するメディア環境に適応し、将来的な成長を目指しています。これらの戦略的な取り組みが、今後の収益改善にどのように寄与するかが注目されます。
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企業情報

ティッカー FOX
会社名 フォックス・コーポレーション
セクター 通信サービス
業種 Entertainment
ウェブサイト https://www.foxcorporation.com
時価総額 $14,767 million
PER 17.5
配当利回り 1.7%