オラクル、クラウド事業で成長加速

$ORCL 決算

概要

オラクルは2024年度第4四半期および通年の財務結果を発表し、特にクラウドサービス分野での成長が顕著であることを示しました。クラウド収益は前年同期比で20%増加し、5.3億ドルに達しました。AIとクラウドコンピューティングの分野での革新に注力するオラクルは、急速に進化する技術環境に適応し続けています。

>> オラクルのAI企業分析✨

目次

指標・数値

名称 数値 分析
総収益 143億ドル 前年同期比で3%増加し、為替調整後では4%の増加を示しています。
クラウド収益 53億ドル 前年同期比で20%増加し、特にIaaSとSaaSの成長が顕著です。
GAAP純利益 105億ドル GAAP EPSは3.71ドルで、前年からの増加を示しています。
RPO 980億ドル AIトレーニング需要の高まりにより、44%の増加を記録しました。
フリーキャッシュフロー 118.1億ドル 財務の安定性を示し、将来の投資に備えています。

クラウド収益の急成長

Oracle Corporationは2024年度第4四半期において、クラウドサービス部門での収益が著しく成長しました。特に、クラウド収益は前年同期比で20%増加し、53億ドルに達しました。この成長は、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(IaaS)とソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)の両セグメントによって牽引されました。IaaSは42%増の20億ドルに達し、企業が効率的に業務を拡大するための基盤としての需要が高まっています。一方、SaaSは10%増の33億ドルを記録し、特にFusion Cloud ERPとNetSuite Cloud ERPがそれぞれ14%と19%の成長を見せました。これらの成果は、企業が業務効率を向上させるためにクラウドベースのERPソリューションを採用していることを示しています。

AI需要の高まり

Oracleの2024年度第4四半期の報告では、AIトレーニングに対する需要が急増していることが明らかになりました。特に、Oracle Cloudを利用したAIトレーニングの契約が30件以上締結され、総額125億ドルを超える売上を記録しました。これには、OpenAIとの契約も含まれており、ChatGPTのトレーニングにOracle Cloudが利用されることになりました。これらの契約は、AI技術を競争優位性として活用しようとする企業の増加を反映しており、OracleがAI分野で重要な役割を果たしていることを示しています。

戦略的パートナーシップ

Oracleは、MicrosoftやGoogleとの戦略的パートナーシップを通じて、クラウドサービスの拡大を図っています。Microsoftとの提携では、Azure内に23のOracle Cloud Infrastructure(OCI)データセンターのうち11を開設し、OpenAIのサポートやクラウドデータベースの成長を促進しています。また、Googleとの合意により、Google Cloud内に12のOCIデータセンターを設置する計画が進行中で、2024年9月までにOracleデータベースの提供が開始される予定です。これらのパートナーシップは、Oracleのクラウドサービスの能力を拡大し、マルチクラウド環境での競争力を高めるものです。

財務の安定性

Oracleは、2024年度の財務報告において、強固な財務基盤を示しました。特に、フリーキャッシュフローは118億ドルに達し、営業キャッシュフローは前年から9%増の187億ドルとなりました。これにより、Oracleの取締役会は1株あたり0.40ドルの四半期配当を宣言し、株主への価値還元を強調しています。これらの結果は、Oracleが将来の投資や成長機会に備えつつ、財務の安定性を維持していることを示しています。

将来の展望

OracleのCEOであるサフラ・キャッツ氏は、2025年度におけるAIソリューションの需要の継続的な増加を見込み、二桁の収益成長を予測しています。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の容量が需要に応じて拡大する中、各四半期で前期を上回る成長が期待されています。特に、小売、製造、物流などの業界で、Oracleのソリューションを活用して業務効率や顧客エンゲージメントを向上させる動きが見られ、デジタルトランスフォーメーションの波に乗る企業にとって、Oracleは重要なパートナーとなるでしょう。

クラウドとAIで未来を切り拓くオラクル

オラクルの2024年度第4四半期および通年の財務結果は、クラウドサービスとAI需要の高まりによる強力な成長を示しています。特にクラウド収益の20%増加は、IaaSとSaaSの両セグメントでの顕著な成長によるものです。オラクルは、AIトレーニングの需要を背景に、RPOが44%増加し、今後の収益の可能性を示しています。また、マイクロソフトやグーグルとの戦略的パートナーシップを通じて、マルチクラウド環境でのサービス拡充を図り、競争力を強化しています。財務の安定性も確保されており、フリーキャッシュフローは118.1億ドルに達し、将来の投資と成長のための基盤が整っています。オラクルは、AIとクラウドコンピューティングの分野での革新を続け、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業として、今後も市場での地位を強化していくことでしょう。これにより、オラクルは急速に進化する技術環境において、持続的な成長と収益性を追求する姿勢を示しています。
⧉元の報告書を表示
⧉Yahoo Finance(米)で株価チェック

オラクル・コーポレーション logo

オラクル・コーポレーションの新着サマリー


>> 続きを読む

企業情報

ティッカー ORCL
会社名 オラクル・コーポレーション
セクター テクノロジー
業種 Software - Infrastructure
ウェブサイト https://www.oracle.com
時価総額 $340,485 million
PER 32.8
配当利回り 1.3%