ロッキード・マーティンの2024年第2四半期業績分析

$LMT 決算

概要

ロッキード・マーティンは2024年第2四半期において、売上高が前年同期比9%増の181億ドルを記録しました。この成長は、防衛技術ソリューションへの強い需要を反映しており、同社の受注残高は年間売上高の2倍以上に達する約1600億ドルに上ります。利益面では、非営業費用の影響を受けつつも、キャッシュフローの増加により株主への還元を強化しました。

目次

指標・数値

名称 数値 分析
売上高 181億ドル 前年同期比9%増で、防衛技術ソリューションの需要が成長を牽引。
純利益 16億ドル 前年同期比で減少したが、非営業費用の影響を受けたため。
営業キャッシュフロー 19億ドル 前年同期の11億ドルから増加し、運転資本の改善が寄与。
フリーキャッシュフロー 15億ドル 前年同期の7.71億ドルから増加し、株主還元を強化。
受注残高 1600億ドル 年間売上高の2倍以上で、将来の成長と安定性を示唆。

売上高の成長と受注残高

ロッキード・マーティンは2024年第2四半期において、前年同期の167億ドルから9%増加し、181億ドルの売上高を記録しました。この成長は、同社の防衛技術ソリューションに対する強い需要を示しています。さらに、約1600億ドルの受注残高を持ち、これは年間売上高の2倍以上に相当します。この受注残高は、同社が確保した契約やプロジェクトの堅実なパイプラインを示し、将来の成長と安定性を支える重要な要素となっています。

利益率とキャッシュフロー

2024年第2四半期におけるロッキード・マーティンの純利益は16億ドルで、1株当たり6.85ドルに相当します。前年同期の17億ドル、1株当たり6.63ドルからわずかに減少しましたが、これは79百万ドルの非営業費用が影響しています。これらの費用には、減損費用や退職金が含まれ、全体的な利益率に影響を与えました。それにもかかわらず、同社は19億ドルの営業キャッシュフローを生み出し、前年同期の11億ドルから大幅に増加しました。また、フリーキャッシュフローも15億ドルに達し、2023年第2四半期の771百万ドルから増加しました。

戦略的焦点と地域安全保障

ロッキード・マーティンの会長兼CEOであるジム・タイクレット氏は、東ヨーロッパ、紅海、中東などの地域における安全保障の強化に向けた戦略的焦点を強調しました。同社のPAC-3防空システムやイージス戦闘システムは、人工知能の能力を強化し、運用効果を向上させています。F-35プログラムは引き続き同社の最優先事項であり、最近では技術刷新3(Technology Refresh 3)を施した初の航空機を納入しました。このアップグレードにより、F-35の能力が大幅に向上し、世界で最も先進的な戦闘機としての地位を維持しています。

各事業セグメントの成果

ロッキード・マーティンの4つの事業セグメントすべてで、売上高と営業利益の成長が見られました。航空部門では、F-35プログラムを含む売上高が73億ドルに達し、前年同期比で6%増加しました。ミサイル・ファイアコントロール部門では、戦術および打撃ミサイルプログラムの生産増加により、売上高が31億ドルに達しました。回転翼・ミッションシステム部門では、統合戦闘システムとシコルスキー・ヘリコプタープログラムの高いボリュームにより、売上高が45億ドルに達しました。最後に、宇宙部門では、戦略およびミサイル防衛プログラムの成長により、売上高が32億ドルに達しました。

将来の見通しとリスク

ロッキード・マーティンは、2024年の売上高、事業セグメントの営業利益、1株当たり利益の見通しを引き上げました。売上高は705億ドルから715億ドル、1株当たり利益は26.10ドルから26.60ドルと予測しています。この楽観的な見通しは、事業セグメント全体の強力なパフォーマンスと先進的な防衛技術に対する継続的な需要に支えられています。しかし、米国政府の契約、インフレ、地政学的問題など、将来のパフォーマンスに影響を与える可能性のあるリスクも指摘されています。デジタルトランスフォーメーションとコスト削減の取り組みが競争力を維持するために重要であると認識されています。

ロッキード・マーティンの未来展望と課題

ロッキード・マーティンの2024年第2四半期の業績は、全事業セグメントにおける強力なパフォーマンスと、防衛技術ソリューションへの高い需要に支えられたものでした。特に、F-35プログラムを含む航空宇宙セグメントの成長が顕著であり、今後も持続的な需要が見込まれます。同社は、東欧や中東などの地域安全保障を強化する戦略的焦点を持ち、AIを活用したシステムの導入により、オペレーショナルエフェクティブネスを向上させています。これにより、グローバルな防衛市場での競争力を維持し続けることが期待されます。 一方で、米国政府との契約に関連するリスクや、インフレーション、地政学的な問題など、将来の業績に影響を与える可能性のある要因も存在します。特に、固定価格契約のリスクや、調達規制の変化、主要サプライヤーのパフォーマンスと財務状況が、同社の運営に影響を及ぼす可能性があります。これらの課題に対処するため、デジタルトランスフォーメーションやコスト削減の取り組みが重要となります。 総じて、ロッキード・マーティンは、強固な財務基盤と受注残高を背景に、今後も防衛産業での成長を続けることが期待されますが、同時に、複雑な業界環境におけるリスク管理が求められます。
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企業情報

ティッカー LMT
会社名 ロッキード・マーティン
セクター 産業
業種 Aerospace & Defense
ウェブサイト https://www.lockheedmartin.com
時価総額 $112,923 million
PER 17.4
配当利回り 2.7%