Neurocrine社の2024年Q4業績と今後の展望
$NBIX 決算概要
Neurocrine Biosciencesは、2024年第4四半期および通年の業績報告を発表し、同社の卓越した財務パフォーマンスを強調しました。主力製品であるINGREZZAの売上増加や新製品CRENESSITYのFDA承認など、重要な成長分野と戦略的イニシアチブが明らかになりました。これにより、Neurocrineは競争の激しい製薬業界での持続的な成功に向けた基盤を築いています。
指標・数値
名称 | 数値 | 分析 |
---|---|---|
純製品売上 | 615百万ドル | 主力製品INGREZZAの売上が前年同期比23%増加 |
総収入 | 627.7百万ドル | 前年同期の515.2百万ドルから大幅に増加 |
純利益 | 103.1百万ドル | 1株当たり1.00ドルの利益を計上 |
R&D費用 | 731.1百万ドル | 前年の565百万ドルから大幅に増加 |
株式買戻し | 2.3百万株 | 300百万ドルでの加速株式買戻しプログラムを実施 |
財務業績の概要
Neurocrine Biosciencesは、2024年第4四半期および通年での財務業績が非常に好調であったことを報告しました。特に、主力製品であるINGREZZA®(バルベナジン)の第4四半期の純製品売上は6億1500万ドルに達し、前年同期比で23%の増加を示しました。これにより、第4四半期の総収益は6億2770万ドルとなり、前年の5億1520万ドルから大幅に増加しました。通年では、総収益が23億5500万ドルに達し、前年の18億8700万ドルから26%の成長を遂げました。第4四半期の純利益は1億310万ドルで、1株当たり1.00ドルに相当します。非GAAPベースでは、純利益は1億7300万ドル、1株当たり1.69ドルに上昇しました。これらの結果は、同社の強力な運営パフォーマンスを反映しており、将来の投資と成長のための堅実な財務基盤を提供しています。
製品開発の進展
Neurocrine Biosciencesは、2024年12月にFDAから承認を受けたCRENESSITY™(クリネセフォン)の発売を発表しました。この製品は、古典的先天性副腎過形成(CAH)の治療において70年以上ぶりの新しい治療オプションとなります。第4四半期の初期売上は200万ドルに達し、この患者集団における未充足の医療ニーズを反映しています。さらに、2025年上半期には、大うつ病性障害を対象としたOsavampatorと統合失調症を対象としたNBI-568の2つの有望な候補薬の第3相臨床試験を開始する予定です。Osavampatorは、治療に対する反応が不十分な大うつ病性障害患者を対象とした、初のクラスAMPA陽性アロステリックモジュレーターとして開発されています。
研究開発への投資
Neurocrineは、研究開発(R&D)に対する投資を大幅に増加させ、2024年のR&D費用は7億3110万ドルに達しました。これは、2023年の5億6500万ドルからの大幅な増加を示しています。この増加は、Osavampatorを含むパイプラインの進展を支えるための戦略的な投資を反映しています。また、新製品の発売を支援するために販売チームを拡大しており、これがR&Dコストの上昇に寄与しています。さらに、Neurocrineは、特定のタイプのてんかんの治療を目的とした電位依存性ナトリウムチャネルNav1.2およびNav1.6の選択的阻害剤であるNBI-921355の安全性、忍容性、薬物動態、および薬力学を評価するための第1相臨床試験を開始しました。
株式買戻しプログラム
Neurocrineは、長期的な成長見通しに対する自信を示すため、加速株式買戻し(ASR)プログラムを実施し、約230万株を3億ドルで買い戻しました。このプログラムは2025年2月初旬に完了し、2024年12月31日までに約200万株を2億4050万ドルで買い戻しました。この株式買戻しの取り組みは、経営陣が会社の内在的価値を信じていることを示すものであり、発行済株式数を減少させることで1株当たり利益を向上させる役割も果たしています。
将来の見通しとリスク
Neurocrineは、2025年のINGREZZAの純製品売上を25億ドルから26億ドルの範囲で予測しています。この楽観的な見通しは、遅発性ジスキネジアおよびハンチントン病舞踏病の患者におけるINGREZZAの継続的な需要に支えられています。さらに、R&D費用は9億6000万ドルから10億1000万ドルに増加すると予想されており、同社は拡大するパイプラインに投資を続けています。このガイダンスは、INGREZZAの成長を支える商業的な取り組みやCRENESSITYの発売、OsavampatorおよびNBI-568の臨床試験の進展に伴う費用を反映しています。しかし、製薬市場における競争の激化、新薬の承認プロセスでの規制上の課題、開発および商業化の一部を担う第三者パートナーへの依存など、潜在的なリスクと課題も存在します。
Neurocrine社の成長と挑戦
Neurocrine Biosciencesは、2024年第4四半期において、財務業績の向上と製品開発の進展を示しました。特に、主力製品であるINGREZZAの売上増加と新製品CRENESSITYのFDA承認は、同社の成長を支える重要な要素となっています。また、研究開発への積極的な投資と株式買戻しプログラムの実施は、株主価値の向上に寄与しています。今後の見通しとして、2025年にはINGREZZAの売上が25億ドルから26億ドルに達することが予想されており、さらなる成長が期待されます。しかし、製薬市場における競争の激化や規制上の課題、ジェネリック医薬品の参入リスクなど、いくつかの挑戦も存在します。Neurocrineは、これらのリスクを慎重に管理しつつ、革新的な製品ポートフォリオの拡充を通じて、神経科学分野でのリーダーシップを確立することを目指しています。総じて、Neurocrineの戦略的イニシアチブと財務的な強さは、将来の成長を支える基盤となっており、同社の使命である未解決の神経精神疾患、神経疾患、内分泌疾患の治療法の発見と開発に向けた取り組みを強化しています。
企業情報
ティッカー | NBIX |
会社名 | Neurocrine Biosciences, Inc. |
セクター | ヘルスケア |
業種 | Drug Manufacturers - Specialty & Generic |
ウェブサイト | https://www.neurocrine.com |
時価総額 | $14,247 million |
PER | 38.5 |
配当利回り | 0.0% |