コストコの2024年度第4四半期業績報告
$COST 決算概要
コストコホールセールコーポレーションは、2024年度第4四半期および通年の業績を発表しました。この報告書は、同社の財務パフォーマンス、運営指標、将来の見通しを詳細に分析しています。第4四半期の純売上高は78.2億ドルで、前年同期比1.0%の増加を示しました。通年では、純売上高は2496億ドルに達し、前年から5.0%の成長を遂げました。特に、eコマースの売上が第4四半期で18.9%、通年で16.1%と大幅に増加し、消費者の購買行動の変化を反映しています。
指標・数値
| 名称 | 数値 | 分析 |
|---|---|---|
| 純売上高 | 78.2億ドル | 前年同期比1.0%増。前年は17週間、今年は16週間の比較で成長を示す。 |
| 純利益 | 23.54億ドル | 前年同期比増加。税務上の一時的利益が寄与。 |
| 営業利益 | 30.42億ドル | 前年からの効率向上を示す。 |
| 流動資産 | 342.46億ドル | 前年からの減少。流動性の引き締まりを示唆。 |
| 総負債 | 462.09億ドル | 前年から増加。負債の増加が株主資本の減少に寄与。 |
売上高の成長
コストコは2024年度第4四半期において、売上高が前年同期の774億ドルから782億ドルへと1.0%増加しました。この成長は、前年の第4四半期が17週間であったのに対し、今年は16週間であったことを考慮すると特に顕著です。年間を通じての売上高は、前年の2377億ドルから5.0%増の2496億ドルに達しました。地域別では、米国で5.3%、カナダで5.5%、その他の国際地域で5.7%の売上高成長を記録しました。特に、eコマースの売上が第4四半期で18.9%、年間で16.1%と大幅に増加しており、消費者の購買行動がオンラインにシフトしていることを示しています。
純利益の増加
コストコの第4四半期の純利益は23億5400万ドルで、希薄化後1株当たり5.29ドルとなり、前年の21億6000万ドル（1株当たり4.86ドル）から増加しました。この増加には、移転価格の和解に関連する6300万ドルの一時的な税務利益が寄与しており、1株当たり約0.14ドルの影響を与えました。年間の純利益は73億6700万ドル（1株当たり16.56ドル）で、前年の62億9200万ドル（1株当たり14.16ドル）から増加しています。この純利益の成長は、コストコの効果的なコスト管理戦略と運営効率の向上を反映しています。
運営の概要
コストコは世界中で891の倉庫を運営しており、そのうち614がアメリカとプエルトリコにあります。カナダには108、メキシコには40、日本には35、イギリスには29、韓国には19、オーストラリアには15、台湾には14、中国には7、スペインには5、フランスには2、アイスランド、ニュージーランド、スウェーデンにはそれぞれ1つの倉庫があります。この広範なネットワークにより、コストコは多様な顧客基盤にサービスを提供し、規模の経済を活用しています。また、アメリカ、カナダ、イギリス、メキシコ、韓国、台湾、日本、オーストラリアでのeコマースプラットフォームの確立が、オンライン売上の成長に寄与しています。
財務指標の分析
コストコの財務指標は、同社の財務健全性を示しています。総収益は2023年の789億3900万ドルから2024年には796億9700万ドルに増加し、安定した成長を示しています。営業利益は前年の27億8100万ドルから30億4200万ドルに改善し、運営効率の向上を示しています。一方で、流動資産は358億7900万ドルから342億4600万ドルにわずかに減少し、流動性の引き締まりを示唆しています。総負債は439億3600万ドルから462億9000万ドルに増加し、負債の増加が株主資本の減少に寄与していることを示しています。売上と利益が成長している一方で、同社はより多くの負債を抱えていることがわかります。
キャッシュフローの動向
コストコの営業活動によるキャッシュフローは、前年の110億6800万ドルから113億3900万ドルに大幅に増加しました。しかし、財務活動によるキャッシュの使用は、主に多額の配当金支払いと債務返済により、107億6400万ドルに急増しました。この結果、現金及び現金同等物は、前年の137億ドルから99億600万ドルに減少しました。営業活動からのキャッシュフローの増加は、基礎的なビジネスパフォーマンスの強さを示していますが、財務活動の増加は、配当を通じた株主への価値還元と債務管理へのコミットメントを反映しています。
コストコの成長と課題
コストコは2024年度において、売上高と純利益の両面で堅調な成長を遂げました。特にeコマースの分野での大幅な売上増加は、消費者の購買行動の変化を的確に捉えた結果といえます。同社のグローバルな倉庫ネットワークと効率的な運営戦略が、これらの成果を支えています。しかし、流動資産の減少と総負債の増加は、財務の健全性に対する注意が必要であることを示唆しています。これらの課題に対処しつつ、コストコは引き続き成長を目指す必要があります。今後の戦略としては、オンラインプラットフォームのさらなる強化や、国際市場でのプレゼンス拡大が考えられます。これにより、競争の激しい小売業界での地位を一層強固にすることが期待されます。
企業情報
| ティッカー | COST |
| 会社名 | コストコ |
| セクター | 生活必需品 |
| 業種 | Discount Stores |
| ウェブサイト | https://www.costco.com |
| 時価総額 | $399,640 million |
| PER | 55.7 |
| 配当利回り | 0.5% |