ジョンソン・エンド・ジョンソンの2024年Q4業績分析

$JNJ 決算

概要

ジョンソン・エンド・ジョンソンは2024年第4四半期および通年の業績を発表し、売上の成長と利益の減少という複雑な状況を示しました。第4四半期の売上は5.3%増の225億ドルに達し、通年では4.3%増の888億ドルを記録しました。しかし、純利益は前年同期比で17%減少し、34.3億ドルとなりました。この減少は、運営コストの増加や買収関連の費用が主な要因です。

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目次

指標・数値

名称 数値 分析
売上高 225億ドル 前年同期比で5.3%増加し、オペレーショナル成長率は6.7%を記録しました。
EPS 1.41ドル 前年同期比で17.1%減少し、買収関連の費用が影響しました。
純利益 34.3億ドル 前年同期比で17%減少し、運営コストの増加が主な要因です。
米国売上 132億ドル 前年同期比で10%増加し、国内市場の強さを示しました。
国際売上 93億ドル 前年同期比で0.7%減少し、国際市場での課題を反映しています。

売上の成長と課題

ジョンソン・エンド・ジョンソンは2024年第4四半期において、売上が前年同期比で5.3%増加し、225億ドルに達しました。この成長は、運営上の成長率6.7%と調整後運営成長率5.7%によって支えられています。しかし、純利益は前年同期比で17%減少し、34.3億ドルとなりました。この減少は、運営コストの増加や買収関連の費用が影響しています。年間を通じての売上は4.3%増の888億ドルで、COVID-19ワクチンの影響を除くと、運営成長率は7.0%に達し、コアビジネスの強さを示しています。

EPSの変動要因

2024年第4四半期の1株当たり利益(EPS)は1.41ドルで、前年同期比で17.1%の減少を示しました。この減少は、運営コストの増加や買収関連の費用が主な要因です。一方、調整後EPSは2.04ドルで、V-Wave買収に伴う研究開発費用の22セントが含まれています。年間の希薄化後EPSは5.79ドルで、前年から11.3%増加しましたが、調整後EPSは9.98ドルとわずかに増加しました。これには、買収関連の費用が67セント影響しています。

製品パイプラインの進展

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、2024年において製品パイプラインの進展を示しました。特に、がん治療と外科技術の分野での進展が顕著です。膀胱がん治療のための革新的な治療法TAR-200の申請は、この難治性疾患への対応における重要な一歩です。また、OTTAVAロボット手術システムの治験機器免除の承認を受け、手術の精度向上と患者の転帰改善が期待されています。さらに、RYBREVANTとLAZCLUZEの全生存率データが報告され、非小細胞肺がんを含む様々ながん治療において重要な役割を果たしています。

地域別売上の動向

2024年第4四半期における地域別売上の動向では、米国市場での売上が前年同期比で10%増加し、132億ドルに達しました。一方、国際市場では0.7%の減少が見られ、93億ドルとなりました。年間を通じて、米国での売上は503億ドルで8.3%増加し、国際市場では385億ドルでほぼ横ばいの状態でした。これにより、ジョンソン・エンド・ジョンソンの国内市場での強い存在感が浮き彫りになっています。

セグメント別業績の詳細

ジョンソン・エンド・ジョンソンのイノベーティブメディスン部門は、2024年において運営売上成長率7.5%を記録しました。これは、がん治療薬DARZALEX、ERLEADA、CARVYKTIや免疫学分野のTREMFYAの好調な販売によるものです。また、メドテック部門も心臓血管ケアにおける電気生理学製品やAbiomedポートフォリオの進展により、運営売上成長率6.2%を示しました。これらのセグメントは、高需要の治療領域に焦点を当てており、同社の成長戦略において重要な役割を担っています。

成長と革新の両立を目指すジョンソン・エンド・ジョンソン

ジョンソン・エンド・ジョンソンの2024年第4四半期および通年の業績は、売上の成長と利益の減少という二面性を持つ結果となりました。売上高は堅調に推移し、特に米国市場での強いパフォーマンスが目立ちましたが、純利益の減少は運営コストの増加や買収関連の費用が影響しました。これにより、同社は今後の経済変動や規制の課題に対する慎重な対応が求められます。製品パイプラインにおいては、がん治療や外科手術技術の分野での進展が見られ、特にTAR-200やOTTAVAロボティック手術システムの開発が注目されます。これらの革新は、未解決の医療ニーズに応えるための重要なステップであり、同社の成長戦略の一環として位置付けられています。地域別では、米国市場での売上増加が顕著であり、国際市場での課題を補完する形となっています。セグメント別では、イノベーティブメディスン部門とメドテック部門がそれぞれの分野での成長を牽引しており、特にオンコロジーや免疫学、心血管ケアの分野での製品が好調です。これらの結果を踏まえ、ジョンソン・エンド・ジョンソンは今後も革新と成長を両立させる戦略を推進し、グローバルな医療ソリューションの提供に注力していくことが期待されます。
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企業情報

ティッカー JNJ
会社名 ジョンソン・アンド・ジョンソン
セクター ヘルスケア
業種 Drug Manufacturers - General
ウェブサイト https://www.jnj.com
時価総額 $363,433 million
PER 22.4
配当利回り 3.3%