エアプロダクツ、2024年度の驚異的な業績を発表
$APD 決算概要
エアプロダクツは、2024年度第4四半期および通年での財務業績を発表し、各種主要指標で顕著な成長を示しました。特に、第4四半期のGAAP EPSは前年同期比186%増の8.81ドルを記録し、純利益は2.0億ドルに達しました。この成長は、非中核事業の売却や持続可能性への取り組みが寄与しています。
指標・数値
| 名称 | 数値 | 分析 |
|---|---|---|
| GAAP EPS | 8.81ドル | 前年同期比186%増。非中核事業の売却が寄与。 |
| 純利益 | 2.0億ドル | 前年同期比181%増。売却益が大きく貢献。 |
| 純利益率 | 61.2% | 前年同期比3,940ベーシスポイント増。 |
| 調整後EPS | 3.56ドル | 前年同期比13%増。 |
| 調整後EBITDA | 1.4億ドル | 前年同期比12%増。 |
第4四半期の業績概要
Air Productsは2024年度第4四半期において、GAAPベースの1株当たり利益（EPS）が前年同期比186%増の8.81ドルを達成しました。純利益は20億ドルに達し、純利益率は前年から3,940ベーシスポイント増の61.2%となりました。これらの結果は、同社の収益性の大幅な向上を示しています。調整後のEPSは3.56ドルで、前年同期比13%増加しました。調整後のEBITDAは14億ドルで、12%の増加を記録し、インフレ圧力にもかかわらず運営効率が改善されたことを示しています。
戦略的事業売却の影響
Air Productsは、非中核事業である液化天然ガス（LNG）部門をHoneywellに18億1,000万ドルで売却しました。この売却により、税引後で12億ドルの利益を得て、同社の財務パフォーマンスを大幅に向上させました。LNG事業は、2024年度に1億3,500万ドルの営業利益を生み出しており、2023年度の1億2,000万ドルから増加していました。この売却は、Air Productsがコア事業に集中し、財務の健全性を強化するための戦略的な一手となりました。
持続可能性への取り組み
Air Productsは、2030年までに再生可能エネルギーの使用を2023年の基準から4倍にするという野心的な目標を掲げています。具体的には、TotalEnergiesに対して年間7万トンのグリーン水素を供給する15年間の契約を締結し、北欧の製油所の脱炭素化を支援します。この取り組みにより、年間約70万トンのCO₂排出を削減することが期待されています。また、カリフォルニア、カナダ、ヨーロッパにおいて商業規模の水素燃料補給ステーションのネットワークを構築する計画も進行中です。
地域別の業績分析
第4四半期における地域別の業績では、アメリカ地域の売上は前年同期比3%減の13億ドルとなりましたが、価格の3%上昇により営業利益は13%増の4億4,800万ドルとなりました。アジア地域では、売上が7%増の8億6,100万ドルとなり、需要の強さとコストの低下により営業利益は24%増の2億4,400万ドルとなりました。ヨーロッパ地域でも売上が3%増の7億3,100万ドルとなり、価格上昇により営業利益は23%増の2億700万ドルとなりました。
将来の展望と課題
Air Productsは、2025年度の調整後EPSを12.70ドルから13.00ドルの範囲で予測しており、第1四半期のガイダンスを2.75ドルから2.85ドルとしています。2025年度の資本支出は45億ドルから50億ドルと見込まれ、成長と拡大のための投資を継続する計画です。売上は2023年の126億ドルから2024年には121億ドルに減少しましたが、純利益と営業利益の成長を示しています。将来的な課題として、経済状況の変化や供給チェーンの混乱、国際的な事業運営に伴うリスクが挙げられますが、同社は戦略的目標に集中し、持続可能なエネルギーソリューションへの投資を続ける方針です。
持続可能な成長と未来への備え
エアプロダクツは、2024年度において驚異的な財務業績を達成し、持続可能な成長への道を切り開いています。特に、第4四半期のGAAP EPSが前年同期比186%増の8.81ドルを記録し、純利益も2.0億ドルに達したことは、同社の戦略的な事業売却と持続可能性への取り組みが大きく寄与していることを示しています。さらに、調整後EPSやEBITDAの増加も、同社の効率的な運営と市場での競争力を反映しています。地域別の業績分析では、アメリカ、アジア、ヨーロッパそれぞれで異なる成長要因が見られ、特にアジア地域での需要増加が顕著でした。将来的には、持続可能なエネルギーへの移行を加速させるための大規模な資本支出が予定されており、これが同社の長期的な成長を支える基盤となるでしょう。しかし、国際的な経済状況や規制の変化、サイバーセキュリティのリスクなど、依然として多くの課題が存在します。それにもかかわらず、エアプロダクツはその戦略的目標に向けて着実に進んでおり、株主価値の向上と環境への貢献を両立させる姿勢を示しています。
企業情報
| ティッカー | APD |
| 会社名 | エアプロダクツ&ケミカルズ |
| セクター | 基本素材 |
| 業種 | Specialty Chemicals |
| ウェブサイト | https://www.airproducts.com |
| 時価総額 | $58,655 million |
| PER | 23.9 |
| 配当利回り | 2.7% |